ニラと水仙の見分け方って分かりますか?
両者は見た目はほとんど同じで、単純に見た目での区別は熟練者でも分かりにくいと言われています。
万が一、収穫する際にニラと水仙が混ざって生えているとメチャクチャ危険です(^^;)
ニラだけ収穫する分には問題ありませんが、水仙も収穫してしまって野菜炒めなどにして食卓に並べてしまうと、一家総出で食中毒になり病院に運ばれるという最悪の結果になりかねません。
これは冗談ではなく、毎年ニラを収穫するつもりで水仙を収穫してしまう人が多く、それを食べてしまって救急車で運ばれる人が一定数いるのが現実です。
ニラはそのまま食べても美味しい食材ですが、水仙はニラと見た目が酷似しているにも関わらず、その実態は猛毒の毒草です。
水仙の花は毎年出荷されるほどに綺麗で見惚れてしまいますが、その内面には猛毒を内包しているので万が一免疫力の低い子供やお年寄りが食べてしまうと最悪の事態になってしまうかもしれませんので
毎年のように起こっている事故ですが、そういった不幸な事故を自分たちの家庭で起こさないためにもニラと水仙の見分け方を知ることはある意味では常識ではないでしょうか。
知っているという人は大丈夫だと思いますが、
全然知らない
という方はコレを機にニラと水仙の簡単な見分け方についてご説明いたしますので
一度把握しておくと後々役立つことでしょう。
目次
ニラは無毒だが水仙は猛毒である
先にも述べましたが、ニラは食用になるほど美味しい野菜ですが、水仙においては猛毒を秘めた毒草です。
この点については知っている人は意外と多いのですが、肝心のニラと水仙の見分け方や水仙を収穫してしまって口に運ぶまで気が付かない人が多いという現状は依然として変わりません。
以前、どこかのニュースで河原に生えている水仙をニラと勘違いして収穫してしまいパスタの具材として食べてしまって一家全員救急車で運ばれるという食中毒事件がありましたね。
結果として入院になっただけで命に別状はなかったようですが、これは運が良いケースです。
水仙の毒の成分は?
水仙とはヒガンバナ科の属の一つで、二ホンズイセンなどその他の品種のスイセンをひっくるめて水仙と呼ばれています。
原産地はスペインやポルトガルなどの地中海沿岸地域からアフリカ北部まで分布しており、30種類ほどの原種に分かれているとされています。
日本でメジャーな二ホンズイセンは中国から渡来したと言われていますね。
本州の比較的暖かい海岸で野生化し、都道府県の福井県の県花にもなっています。
見る者を魅了する真っ白い美しい花が咲きますが、水仙の毒の正体は
コリンとシュウ酸カルシウムを内包する
ヒガンバナアルカロイドという有毒の成分が含まれています。
シュウ酸カルシウム以外での毒として
リコリン
ガランタミン
タゼチン
などの毒物も含まれています。
水仙はニラと見た目が非常に似ていますが、全草が猛毒で特に鱗茎などの球根部分に強い毒が集約されています。
摂取すると死に至る致死量はわずか10グラムと言われており、この球根を食べることは厳禁とされているそうです。
水仙の毒による主な症状として
水仙の毒は死に至るほど危険なものですが、食中毒の段階ではどういった症状が出始めるのでしょうか。
水仙を摂取してしまった後の症状としては
眩暈
頭痛
強い嘔吐感
流涎
昏睡状態に陥る
過呼吸
異常なほどの発汗
唐突な低体温
肌のかぶれ
など水仙を食べてから数十分~数時間においてこれらの症状が出てくるようです。
またシュウ酸カルシウムは皮膚のかぶれを引き起こす成分で、野菜でも微量にシュウ酸カルシウムが含まれている里芋などの液に触れるとかぶれたりする場合があります。
登山などで手袋をする必要があるのは、山の植物に触れると植物によっては表皮にシュウ酸カルシウムを含んでいるのものがあり、「触るとかぶれる」と言われるのはこのためです。
水仙は私たちの生活に身近な植物ですが、誤って食べてしまうと命にかかわる症状を引き起こす猛毒を秘めた植物なので、鑑賞だけにして無闇やたらに触ったりするのは控えたほうがよろしいでしょう。
次はニラと水仙の簡単な見分け方についてご説明いたします。
ニラと水仙の簡単な見分け方について
ニラと水仙の簡単な見分け方についてはそれほど難しくありません。
要点さえ把握しておけば誰でも見分けられるし簡単に実践可能です。
ニラと水仙の決定的な違いとして、初心者でも区別しやすい要素としてはいくつかありますのでご紹介したいと思います。
ニラと水仙は匂いが全く異なる
ニラと水仙の見分け方として一番簡単な方法は匂いの違いです。
ご存知の方も多いかもしれませんがニラと水仙では全く匂いが異なります。
ニラはネギ科の植物で、ニラをちぎって匂いを嗅いでみるとニンニク臭のような独特の匂いがします。一方水仙の方はニラのような匂いは全くしません。
両方をちぎって匂いを嗅いでみると一目瞭然ですが、水仙はシュウ酸カルシウムを含む全草有毒なため、どうしても分からない場合のみを除いてニラの匂いを覚えるという形で区別したほうがいいでしょう。
ニラと水仙の断面の違い
【引用元】http://www.geocities.jp/akiukumo/FOODharu01TEXT.html
これについては匂いに比べると分かりにくいのです。上記の写真の画像を見ていただくと、ニラの断面は横に円を描くような楕円形であり、一方で水仙の断面はⅤ字型の形をしています。
ニラと水仙の見た目の茎の構造の違い
【引用元】https://ameblo.jp/shikoku-gurumetabi/entry-12138030621.html
※上記の画像では左側がニラで右側が水仙になります。
ニラと水仙は見た目の茎の構造や外観も多少異なります。一見同じような外観をしており、水仙をニラと間違えて誤植することもありますが、
ニラは水仙よりもか細く
水仙はニラよりも肉厚で茎の太さもニラの1.5倍ほど厚め
水仙の方がニラよりも葉っぱが厚く草丈も長く、草幅も幅広い
といった特徴があります。
ニラを見慣れている人からすれば水仙は明らかに違うと違和感を感じるものですが、普段ニラと水仙の区別ができていない人に限っては混同してしまうようですね。
さいごに
ニラと水仙の見分け方!匂いや断面など食中毒を避ける方法や簡単なポイントについては以上になります。
断面や見た目の差異や匂いなど見分けるポイントは複数ありますが、一番簡単で分かりやすいのが匂いの違いですね。
ニラはネギの仲間でアリ、ネギの匂いのようなニンニク臭のような一度嗅いだら忘れられないような独特の匂いがします。
一方水仙はニラのような独特の匂いは全くしないのでこの点に気を付けてもらえれば間違って水仙を食べてしまうということも避けられるでしょう。
まとめになりますが
一番注意しなければならない点としては、ニラと水仙は外観は微妙に異なるので見分け方を知らない人から見れば非常に似通っている植物です。
似たような外観の植物を近くに植えないこと
たったこれだけを気を付けてもらえるだけで、水仙などの食中毒を回避できますね。
同じ植物を庭に植えないという方法も効果的です。そもそも水仙の食中毒を起こしてしまう原因としてニラと間違って食べてしまうということに起因しているので、ニラを家庭菜園で植えておかなければ水仙を誤食してしまうといったことになることもありません。
また河原でニラか水仙かよく分からない植物を見つけた時は上記の匂いのポイントを確認するか、そういった植物をみだりに収穫しないという自分の中でのルール設定も大切です。
ニラと水仙の食中毒で一番やってはいけないことは、この二つを隣接して栽培すること。
毎年のように水仙をニラと勘違いして食べてしまう食中毒事件が発生しているので。間違ってもそういったことをしないようにお家で行う家庭菜園などでは注意してくださいね。