近年、素潜りのアワビの密漁が問題になっています。
春先から夏ごろにかけて、特に夏場は素潜りの最盛期なので、毎年のように密漁で検挙される人が後を絶ちません。しかし、検挙されているにもかかわらず、素潜りを行う人も毎年のように押し寄せていますね。
それだけ素潜りが一度ハマってしまったら、ギャンブルのごとく抜け出せないとてつもない魅力を秘めているということを物語っています。
素潜りは一見地味ですが、男性の狩猟本能をくすぐってくれるものであり、海水浴のついでに素潜りでアワビやサザエを取って食べるのはかなりそそられる要素でもあります。
素潜りでのアワビの密漁など毎年のように検挙されている人もいる反面、県や市などの自治体によっては素潜りの密漁の定義も若干異なっているということを知っているでしょうか。
基本的に海の海産物を捕ることはNGとされていますが、海産物を捕ることに関しての明確な線引きやルール、規約などは一部曖昧で素潜りを行う人のほとんどがそれについて理解していない人がほとんどです。
また、素潜りでも徒手などの素手で捕る行為はセーフであり、漁師が使うような専用の道具などを使用する場合はNGなど自治体によってセーフとアウトの定義が実際のところバラバラなのです。
また、自治体によっては素潜りの体験を行えるイベントも用意しており、一部料金さえ払えば素潜りを許可しているところもあると聞きます。
本記事の内容としては素潜りのアワビの密漁について焦点を当てていくとともに
密漁の内容や素潜りでのアワビの密漁のセーフとアウトの境界線と地域ごとの違いについて言及していきたいと思います。
では、先ずは、基本となる密漁について解説していきたいと思います。
目次
素潜りでの密漁とは?
そもそもな話、素潜りでの密漁とは一体どういった行為を指すのでしょうか。
単純に密漁という行為の定義としては
・密かに漁業権が設定されている海産物を乱獲する行為
・無免許の状態で漁を行った場合
・許可を得ずに漁を行った場合
・禁漁の期間を無視して漁を行った場合
・禁止されている漁の方法を行って漁をした場合
・禁止、規制されている法令に違反した場合
・各自治体や、海域を管轄する漁協の定めた漁業権を侵害した場合
が密漁の定義になります。
ちょっと難しい言い方だったかもしれませんが、漁業権で定められている海産物を許可なく捕った場合はもれなく漁業権の侵害として密漁とみなされます。
アワビなどの密漁の実態としては?
アワビやサザエをはじめとする各種海産物の密猟の実態としては、主に漁業のプロである一般の漁師が摘発されている場合が多数あるのが実態になります。
普通は一般人が摘発されていると思いがちですが、以外にも一般人よりも禁漁の期間などで収入が得られない、経済的に困窮した漁師の方が密漁に手を染めて禁を破るパターンが主流になっているようです。
漁師が密猟を行っている割合はおよそ全体の過半数に上るとも言われており、諸外国程大掛かりな密漁はありませんが、その被害額は一件でも数百万に上るというので驚きですね(^^;)
ちなみに、そういった密漁を行った上で取得した海産物は、暴力団をはじめとする組織に転売されているようです。
アワビやサザエなどの稚貝を放流しているにもかかわらず、スキューバーダイビング及びシュノーケーリングなどでアワビやサザエを取る人間が後を絶たないのが現状です。
さらに悪質になると小型ボートなどで乗り付けて堂々と密漁を行う人までいるそうですね。
素潜りでアワビを捕ると密漁になるの?
素潜りでアワビを捕ると密漁になるのか?ならないのか?
についてですが、ただ素潜りを行っているだけでは密漁にはなりません。
海の中でアワビ手に取っているだけでも密漁にはなりません。
後述しますが、各都道府県ごとに密漁には細かな定義が定められており、とある県でアワビが水産物として漁業権が設定されていない場合はアワビを捕っても密漁にはなりません。
しかし、アワビなどをはじめとする水産物に漁業権が設定されている場合はそれを取って陸に上がってしまえば密漁になってしまいます。
素潜りでのアワビ捕りのセーフとアウトの境界線は?
素潜りでのアワビ捕りのセーフとアウトの境界線はどういった線引きが定められているのでしょうか。
素潜りでのアワビ捕りのセーフとアウトの境界線についてですが、
それが密猟として認められるかかどうかになります。
つまり対象の海産物に漁業権が設定されておらず、それを取ることが法令に違反していない場合は問題ありません。
密猟に当てはまらなければ捕っても良いということになりますが、密猟に関しては各都道府県がどういったパターンの場合は密猟になると定めていますので、各自治体のホームページなどで確認する必要があります。
ちなみに密猟は現行犯でなければ捕まえられず、また担当地区の漁協や漁師による親告罪でもあります。
密漁を見つけても警察や海上保安庁が現場で密漁の事実を抑えなければ摘発できないのですね。
いくら小型ボートやウェットスーツや道具を持っていても、最終的に漁業権が設定されている海産物を捕っている現場を抑えなければ密漁とは認められません。
密漁の実行犯は、見つかりそうだと思ったら、証拠である海産物を海中に捨ててしまえば密漁の証拠は消えますのでその点もなかなか摘発できずにいるようです。
しかし、道具などを使用していた場合は直接の密漁とはみなされないまでも、各都道府県の定め他法令に違反している場合は別の罪状で摘発されることはあります。
それについては次の項目で解説していきますね(^^♪
素潜りでのアワビの密猟の地域ごとの違いは?
素潜りでのアワビの密漁の地域ごとの違いとしてですが、各都道府県や漁協などで一定の法令が定められています。
既に前述したと思いますが、密漁の定義などは各都道府県において若干異なりますので、
もし、素潜りをレジャーとして行うのであれば自分が潜ろうとしている海の各都道府県や市のホームページや各種漁業権に関する法令を確認することは必須事項です。
また、都道府県によっては網などの道具を使うと違法や、潜る際に水中メガネを使用すると違法など微妙に異なりますのでその点も把握しておくとよいでしょう。
水中メガネを使ってはいけないなんてことは先ずありませんけど(^^;)
自治体によっては禁止している自治体もあるそうです。
海水浴などのマリンスポーツ目的で、水中メガネを使用することは普通にありますので、そこまで厳しくないかと思いますが、海産物を捕る際には方法や道具には規制があるので法令違反にならないようにその辺りもしっかりと確認しておきましょう。
素潜りの海産物取得でも体験コーナーや料金を支払えば行える自治体もある
素潜りにおけるアワビなどの海産物の取得が密猟になるという件についてですが、
漁業権が設定されていないものについてはセーフですが、漁業権が設定されているアワビなどについても一部の自治体で体験コーナーを設けている自治体もあります。
また、規定された料金を支払えば素潜りをしてアワビやサザエなどの水産物を捕っても良いという自治体もありますので、合法的に素潜りを行いたいという方は定められた料金を支払って伸び伸びと素潜りを楽しむのもいいですね。
しかし、料金を支払っての素潜りを行えるかは問い合わせてみないと分かりませんので、一度自分が潜る海域の自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
まとめ
【素潜りのアワビの密猟はどこまでがセーフか?地域ごとの違いも解説】
の内容としては以上になります。
如何だったでしょうか。
海は私たち全員のものであり、漁師のものではありません。当然、アワビの水産物なども一部の人間のものでもありません。
アワビやサザエなどの貝類をはじめとする水産物は親が卵を産んで子供が育つという一定のサイクルを繰り返しています。
水産物はみんなのものだからと言って、誰もかれもが我先にと素潜りなどでアワビをはじめとする水産物を密漁及び乱獲してしまっては、水産物を取って生活している漁師の方の生活を苦しめるだけではなく、海で捕れた水産物が等しく全員に行き渡らなくなってしまいます。
そういったことを防ぐために漁業権が設定されており、これは一般市民のみならず法令を定めている漁業関係者も順守する必要があります。
むやみやたらに海産物を乱獲してしまえば、行く行くは絶滅なんてことにもなりかねませんので、全体の利益を守るためにも漁業権が設定されているので、素潜りを行ってアワビなどを捕ってみたいという気持ちは分かりますが、必ずその自治体が定めたルールに則って行うようにしましょう。
海産物を捕ってみたいだけなら、その場で捕って持ち帰らずにキャッチ&リリースするということであれば法令違反にはならないと思いますので、純粋に素潜りだけを楽しみたい場合はそういった方法を取ってもいいでしょう。
しかし、違法とされている水産物を持ち帰るのは漁業権の侵害になりますので、その辺りはしっかりとお店などでお金を支払ってアワビやサザエなどを手に入れるようにしてくださいね。
価格も高くても数千円程度のものですので、捕まってしまうリスクを考えると割に合いませんね(^^;)
では以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。