日本では時期が来るとお墓を参る習慣
つまりお墓参りをしますが
なぜお墓参りなどをしなければならないのか?
という疑問を持ったことってありませんか?
ほとんどの方は物心つく頃からお盆の季節になるとお墓参りに行っていると思いますが、
お墓参りを正直めんどくさいって思う人も多いですよね。
中にはそのめんどくささが勝ってしまいお墓参りを省略する人もいますが、それに関してはあまり良いイメージを抱かないのも事実
仕方なくお墓参りをしている人も多いはず。
また、お墓参りを続けている動機としては
ただ、なんとなく
生きている者としての義務感から
という声が意外にも多いことが分かります。
もちろんしっかりとご先祖様の為に参拝している人も多いと思いますが、ほとんどの方は義務感からやっている場合が多いでしょう。
古来よりお墓参りは行われており、ある意味では日本という国の風習とも呼べますが、長く風習として根付いていくにつれてお墓参り本来の意味を見失っているのではないでしょうか。
これは私の個人的な感想ですが、お墓参りをするといった一連の行動を自分の為の行動として行っている人があまりに多いような気がします。
それについては色々思うところがありますが
本記事では
お墓参りの意味を振り返ると同時に、お墓参りの伝統やご先祖様を供養する理由からお墓参りの歴史的由来についても触れていきたいと思います。
では、先ずはお墓参りの意味から解説していきたいと思います。
目次
お墓参りの意味とは?
お墓参りの意味とは本来どのような意味を持っていたのでしょうか。
お墓参りとは単純に墓を参る
それ以上でもそれ以下でもありません。
お墓参りの意味としては、
年に一度お墓を参って綺麗にし、手を合わせることによってご先祖様に対して感謝の意を表するためのもの
と考えられます。
もちろんお墓参りは何度でも行っても良いものですし、季節関係なく行っても差し支えありません。
お墓参りではこうしなくてはいけないという決まりなども明確に定まってはいないので、形式やお参りの方法などは子孫である自分たちに委ねられます。
次にお墓参りの伝統について解説していきたいと思います。
お墓参りの伝統とは?
お墓参りの伝統とは何があるでしょうか。
伝統と一言でいわれても何から何までが伝統なのかよく分かりませんね。
日本という国で一般的に浸透しているお墓参りの伝統的な作法としては
お供え物を備えること
毎年夏の季節からお盆にかけて参拝すること
お線香などをたき、献花をすること
お酒を墓石にかける行為
家族全員でお参りすること
お参りする前に墓を手入れし、綺麗にすること
などが考えられます。
地域によってはいくつか異なる点はあると思いますが、
私が住む北陸地方ではこういった行いが見受けられますね。
また、お墓参りでは以下のような時期に行われるものもありますが
お彼岸とは?
お彼岸という行事を聞くことがありますが、このお彼岸とは何を意味するのでしょうか。
お彼岸とは春と秋の二回に渡ってお墓参りをすることですが、春と秋それぞれ三日間の期間の内にお墓参りをすることを意味しています。
春の時期、すなわち春のお彼岸は春分の日であり、秋のお彼岸は秋分の日を差しています。
春と秋のお彼岸のお墓参りの期間はこのそれぞれの日の前後三日間を差しています。
それぞれの日に仏教では西の方向に極楽浄土があると言われています。
また、春分の日や秋分の日は「中日とも呼ばれており、極楽浄土があると言われている方向を差して、太陽が東から西に沈む時期に参拝をすることがご先祖様に対する一番の供養になるという言い伝えがあります。
また春分の日には仏壇に牡丹餅を、秋分の日にはおはぎをお供えし、ご先祖様への供養にするという伝統もあります。
お盆に参拝する理由は?
次にお盆にお墓参りをする風習もありますが、どちらかというとお彼岸よりもこちらの方が有名でしょう。
お盆にお墓参りをする風習の意味としては、
お盆という期間は、ご先祖様がお家にお帰りになられる期間として言い伝えがあります。
お盆は、ご先祖様があの世からお家にお帰りになられて、家族との楽しいひと時を過ごす時間であり、お盆が終了するのと同時にあの世へと帰っていくと言われている日本古来の伝統行事でもあります。
また、仏教の高名な高僧でもあるお釈迦様の弟子のひとりとされる目連尊者が、亡くなった人をあの世から救ったとされていることで、お盆の期間にはご先祖様に対して報恩感謝の意を表し、ご先祖様を供養するという流れになったようです。
お盆は一般的な長期休暇と考える人もいますが、本来の意味はお亡くなりになったご先祖様に対して哀悼の意を捧げて、今後のご冥福をお祈りするという非常に大切な期間でもあります。
以上がお盆にお墓参りをする伝統になります。
次にお墓参りで先祖を供養する理由について触れていきたいと思います。
お墓参りで先祖を供養する理由とは?
お墓参りでご先祖様を供養する理由とは一体なんでしょうか。
そもそもお墓参りとはいったい何のために行うのでしょうか。
また、お墓参りとは誰の為に行うのでしょうか。
自分の為ですか? それとも先祖の為?
お墓参りで先祖を供養する理由としては
やはりご先祖様の為ですよね。
今の時代や今の自分たちが存在しているのは他ならぬ、ご先祖様が生きていてくれたお陰でもあります。
ご先祖様の犠牲の上に今の自分たちが存在しており、自分たちの生活が成り立っていると言っていいと思います。
ですので、子孫である自分たちは現状における感謝と、ご先祖様に対する感謝や、安らかに眠ってほしいという哀悼の意を表するという意味でお墓参りは行われなければなりません。
決して、自分たちを満足させるためや自分たちの為に行うものではありませんので、
最近ではお墓参りをある種の義務感や義務のように受け止めて、しぶしぶ行っているという人も多いですが、ご先祖様の視点から見れば非常に嘆かわしいことですよね(´・ω・`)
私がご先祖様なら「義務感によるお墓参りなら必要ない」と言ってしまうかもしれません。
既にこの世に存在しないといってもお墓の向こうには必ず相手がいるということを忘れずに、しっかりとご先祖様を悼む気持ちで参拝するようにすれば問題ないと思います。
次はお墓参りの歴史的由来・いつ頃から参拝が始まったかについて言及していきたいと思います。
お墓参りの歴史的由来について
お墓参りの歴史的由来や・いつの時代から始まったかについてですが
お墓参りは主に主流になっていったのは情勢が安定し始めた江戸時代からだと言われています。
戦国時代やそれ以前の時代にもお墓参りは風習として行われてきましたが、主に全国にわたって広く行われるようになったのが江戸時代初期頃からと言われていますね。
なぜお墓参りにお墓を立てるのか?
お墓参りはご先祖様を供養する日本の伝統行事として知られていますが、なぜ日本はお墓を立てて供養するのか?
この点について即答できる人はほとんどいないでしょう。
また、宗教的な教えなどから、必ずお墓を立てなければいけないとされている記述は存在しないとされています。
葬送の方法についても、日本は火葬ですが、国によっては海や川に流す方法や、鳥に食べさせて肉体を魂ごと昇華させるという名目の鳥葬という方式もあります。
川や海に流したり、ましてや鳥に食べさせるなど現在の日本ではありえませんが
お墓参りなどの歴史的由来としては宗教が関係しているわけではなく、その国々の民族的な価値観や風習、慣習などの考え方が大きく関わっているとも言えますね。
こと日本においては墓を立ててその中に遺骨を入れるという風習も、外国の鳥葬と同じように、そうすることによって魂が昇華されてあの世へと渡れるようになると信じられてきたからです。
また、現在のように墓石を立てるという行為は江戸時代中期ごろから始まっており、その時点では一般市民にはかかわりのない行動として認識されてきました。
江戸時代中期に墓石を立てるという風習は一部の権力者のみとされていたようです。
現代社会においてはデジタル方式のお墓参りなど、時代の特色に応じて徐々に変わってきていますが、今後はお墓参りの方法や作法についても徐々に変わってくる可能性は高いですね。
まとめ
【お墓参りの意味は?先祖を供養する理由や伝統、歴史的由来などを解説】
の内容としては以上になります。
如何だったでしょうか。
お墓参りの意味としては、単純になんとなくお墓参りをするというのではなく
ご先祖様を供養するというある種の人間としての基本的な部分がとても大切です。
今後お彼岸やお盆の時期などにお墓参りをする場合もあると思いますが
決して義務感などにはならずに、現在の自分があることに感謝しつつ、ご先祖様のためを思っての参拝を心がけてくださいね。